12.  北海道にとりつかれた男


奇跡の3連休!!!

 連休が全然とれないのが当たり前だった会社でなんと3連休が突然とれてしまった。うれしー!!!これはどこかにいかなくてはなるまい...というわけで急遽北海道に行くことにした。しかし3連休とれることが分かったのは出発4日前!!こんな10月の連休で混んでるときにまだ予約もしていない...。気持ちをあせらせつつ航空会社に電話してみると案の定どの路線も満席。心の中でしくしく泣きながらそれでもと90人待ちのキャンセル待ちをかける。内心、「こんなものとれるかい!」とべらんめえ口調になってしまう自分。
 キャンセル待ちでもなんとか...と会社の休み時間を使い、家に帰ってからもインターネットの空席紹介を何度もたたき、電話による波状攻撃も重ねてまず、なんとか福島−札幌の往復の便をゲット。しかし僕の希望はあくまでも8日夜仕事が終わってからの最終フライトで北海道入りし、11日の最終に近いフライトで帰ってくるというよくばりめいっぱいプラン。あきらめずに毎日毎日気の遠くなるような(おおげさ!)作業をひたすら繰り返す。そうこうするうちに出発2日前。JASの11日札幌20:30発千歳行きがとれたとの電話!90人待ちがひっくりかえったのである。うおーっと雄叫びをあげつつ僕はさらに残席紹介を繰り返し、出発前日の8日金曜日、9日早朝の羽田発千歳行きをとることに成功!さすがに8日夜の便は何度やってもキャンセルがでず、あきらめることに。ま、がんばったがんばった。

あー!カメラ忘れたー!!

 8日の仕事が終わり、僕は電車に飛び乗り東京へと向かう。会社でつかれたココロを癒やす、夢の北海道へと思いは募る。9日のフライトは羽田6:50発全日空053便札幌(新千歳)行き。小山から始発の電車に乗っても間に合わないので前日から近くまで行っておくのである。都内の蒲田からそう遠くない高校時代の友人、たなかくんの家に突然泊めてもらうことにする。8日夕方、突然の電話にも関わらずたなかくんは泊めてくれることを快諾して(?)くれ、前泊することができるようになったのだった。電車に乗っているとふとあることに気がついた。「あー!!カメラ忘れたー!!!!」僕が旅行するときにはカメラは必需品で重いにもかかわらず必ずもちあるいてバシバシとりまくる。唐傘を忘れた染之助染太郎のようなものである(ちょっとマニアック?)。心の中で自分のアホさをけなしつつ美しくとれたであろう北海道の景色が遠くにかすんでいくのがイメージとして浮かぶ。仕方なくコンビニでインスタントカメラを買った。こういうカメラは持ち運びは非常に便利なのだがとにかく画質が気に入らない。写真が全体的にぼやけて薄い感じがするのだ。写真はやっぱりちゃんとしたカメラで撮るに限る。現像してみて分かったが今回の写真はやっぱり全体的に薄く、ぼやけている感じがする。
 さて...話題がそれたが...
 渋谷でたなかくんと待ち合わせ、とりあえず夕飯を食べようということになる。北海道大自然闊歩スタイルで(いつものことだが)さえない格好のため、渋谷などではおよそ似つかわしくない...。まわりをみれば「チョーいけてるー!」と言われるのであろう格好をした人達がうじゃうじゃと歩いていた。見てるだけであまりの人の多さに目が回った。人混みはホントにつかれる。 ラーメンならとなりの恵比寿でも行こうかと言うことになり、山手線で恵比寿へ。駅からほど近いところにそのラーメン屋はあった。「香月」というそのラーメン屋は一説によるとチェーン店らしいがスープは豚の背脂の浮いた濃厚な味わいでそれでいてしつこくなく麺もかためでなかなかうまいラーメンでございました。値段がちょっと高かったかなー。
 電車でたなかくんの家におじゃまし、いろいろ話をする。しかし午前1時をすぎると睡魔には勝てなくなり、コテっとスイッチが切れる。

雄大なる北海道へ

 朝4時40分。寝ボケ状態で起床。たなかくんに別れを告げ、京急で羽田空港に向かう。さすがに連休だけあって早朝にも関わらず人のすごいこと。6時前とは思えないくらいたくさんの人がいる。みんな連休をどこですごすのだろうか?
 空港にて全日空53便の搭乗を待つ。ガラス越しに機体を見るとポケモンがたくさん描かれているではないか...。そう、あの話題の
ポケモンジェットなのである。ポケモンはテレビ等で見たことはないが、なんとなくうれしい。機内では早速「レターセットください」とスチュワーデスさんに
たのみ、絵はがきをもらう。ご丁寧にポケモンのシールまで持ってきてくれ、旅行開始早々機内で恥ずかしい思いをする。しかしとなりのどう見ても30代のおっちゃんはシールを一枚もらうとわざわざ「もう一枚いただけますか?」とさらにシールをもらっていた。ポケモンマニアだったのかもしれない。
 
薄曇りの羽田を飛び立った機体は、雄大なる北海道へ向けて飛び立っていった。

クリックすると拡大します 機内で爆睡していると機体はやがて降下をはじめ、雲一つない快晴の大地へと舞い降りていった。いやいや、ホントにいい天気で、すばらしかった。空港の到着ロビーに顔を出すと、迎えに来てくれるハズの面々がいない。「あれれー???もしかしておいていかれたかー?」と思いつつそこらへんをうろうろしていると遠く向こうから3人組があらわれる。かなり向こうでもその騒々しさからお迎えの面々だということがすぐわかり、僕も手を振る。迎えに来てくれたのはまるこ、かめこ、むっちゃんの3人。まるこ、かめこは某旅行会社を退職して北海道まわってる怪しい2人組だが、むっちゃんはかめこが礼文島で知り合った子だ。礼文島の某有名宿でヘルパーをしていたとのこと。一応初対面だった(はず)なのだが意気投合してしまい、4人は騒々しさに拍車をかけ、傍若無人に空港内を歩き回り、仲良さそうに駐車場へと歩いていった。
 駐車場にてとりあえずどーしよ?となる。まず予定がまったく決まっていなかったのである。苫小牧から東の方に新冠(にいかっぷ)と呼ばれる場所があるが、そこにあるベンチタイムというお店でブランチを食べようと言う話でとりあえずは落ち着いた。まることかめこは前日にもここで食事をしたそうな。何回往復してんねん!同じ場所を...。

ベンチタイム

クリックすると拡大します 広い広い道を東へと走る。天気はこれ以上ないほど快晴で穏やかであったが車内は大騒ぎ。4人でアホ全開で道を走る。おそらく車外にもかなりの音量で聞こえていたのではないか?そうこうしつつもベンチタイム目指して車はひた走る。静かな海岸沿いの道に面してその店はあった。あっこさんという西宮出身の人が15年ほど前に北海道に来てとりつかれ、そのまま住みついてしまったのだそうだ。手作りのおいしい料理が楽しめる。シーフードピラフやしぼりたての牛乳、その牛乳で作ったソフトクリームなどを心ゆくまでたべつくし、かれこれ3時間近くいたであろうか?ゆったりとしたまろやかな時間を4人ですごした。むっちゃんは密かに絵心があるらしく、ほのぼのとして元気の出る絵を3人にそれぞれ描いてくれた。これはいいお土産ができた。
 さんざん店の中を占拠してさわぎまくり、長居して「また来ます」と言葉を残し、移動。ちかくの夢民村(むーみんむら)という旅人宿に行く。むっちゃんがこの辺でゆっくりするということで送って4人で来たのであった。まることかめこは既に一回ここに泊まっており、宿のご主人とも顔見知り。ちょっと「あ、またきやがった」という感じがしないでもなかったが...。僕ら3人は泊まるわけでもないのにむっちゃんについてどかどかと宿にあがりこみ、ご主人がだしてくれたコーヒーを勝手に図々しくのみながらゲームをはじめる。ここでも1時間以上は騒いでいたであろうか。4人で宿が笑い声で震えるほど騒いでいった。このあと疲れがどっとでたことを考えるとやはりかなりのパワーを使って騒いだのであろう。
 むっちゃんと「また会おう」とみんなでつらい別れをし、車は襟裳岬(えりもみさき)へと走り出す。海沿いの道をごんごんと走る。千歳空港からそんなに距離はないのだがゆーっくりしていたために既に日は傾きつつある。あと少しで襟裳岬というところで日の入りの時間になってしまった。水平線に真っ赤な太陽が静かに沈んでいく。天気も良かったので大変美しい心打たれる夕焼けを見ることができた...と言いたいところだが車をうまく止める場所がなく、日の入りの時には車はトンネルの中であった。こんな時に限ってトンネルの中で工事片側通行なんてやっていて赤信号にはまっていたのだ。しくしく。
 太陽が沈んでまもなく襟裳岬に到着。日が暮れて風はつめたい。水平線が丸く見える。地球が丸いと感じる瞬間だ。暗くなってきて途中からあんまりよく分からなかったが襟裳岬で少し時間をつぶしたあと、あてもなく3人は釧路方面へと向かった。
 野生動物を何度か見ながら暗いだだっ広い道を車は走る。北海道の道はホントにはしりやすい。長距離走ってもそんなにつかれないのだ。車は快調にぐわんぐわんと釧路向けて走っていった。

 夜9時すぎになってようやく釧路市に到着!うまい海の幸が食いたい!!というわけで食べ物屋をさがすがなんといっても夜9時すぎ。ファミレスくらいしかやっていない。釧路の駅前ならなんかあるだろうというわけでそこらへんをうろうろしていると飲屋街発見。ま、いっかーというわけで駐車場に車をとめてそこへ繰り出す。息は白く、ホンマに寒い。金があんまりないので「定食屋」みたいなものを...と探したのだがあるはずもなく結局うまい海の幸が食えそうな飲み屋へ。ふらりと入った「風月」という飲み屋で腹ペコ3人は飲むのもそっちのけで食い物を頼む。カニサラダ、ほっけ、ホタテのバター焼き、さしみ盛り合わせ、なぜかおでん...等々海に関係のありそうなものばかり注文する。カニサラダは太いタラバガニの足が入っており、その肉厚なことうまいこと。ホタテなんかこんなにでかくていいの?と思ってしまうほどどでかいぷりぷりした身が口の中で踊り出す。刺身なんか...言うまでもあるまい。思う存分に胃の中に納め、店をあとにする。飲み屋だけあってさすがにいい値段していたが...。

 さて、本日の宿はどうしましょ?宿がまだ決まっていなかった。ホントは健康ランドみたいなところで(カプセルでもあれば)泊まろうと思っていたのだがあいにく釧路で見本市があるらしく、ホテルはおろかそういう安いところまで全部満室(健康ランドは満室って言わないか..)。ま、いっかーというわけでとりあえず摩周湖方面へ向かって北上する。
 午前2時頃、摩周湖第一展望台駐車場に着く。さすがに寒い。ここで車中泊というわけだ。空は満天の星。こんなに星があったのかと思うほど空いっぱいに星がちりばめられている。車中というと眠れなさそうだが疲れていたので眠りの底にすぐ落ちていった。

出世遅れる...

クリックすると拡大します 午前5時すぎ、ふと目が覚める。あたりはうっすらと明るくなってきており、こんな時間にもかかわらず観光客が数人いる。気温は思ったほど下がっていないようだ。2人を起こし、湖を見に行く。な、なんと...快晴。雲一つない。「霧の摩周湖」というのはある意味ここの代名詞になっているのだが、霧なんてどこへやら。これ以上ないと言うくらい晴れているのだ。晴れた摩周湖を見ると女の人は婚期が遅れ、男の人は出世が遅れるそうだ。出世遅れるのか...。会社入ったばっかりなのに...。一抹の寂しさを覚える。2人は摩周湖初めてではなかったので関係ないらしい。美しく幻想的な摩周湖をしばし眺める。そこへちょうど太陽が昇り、すがすがしい朝はこうして始まった。
 腹減ったーというわけで摩周湖をあとにする。なにか食いたいのだがさすが早朝。どこも店はやっていない。しかもコンビニなどあるはずもない。ま、なにかあったら買おうということで裏摩周展望台に向かう。第一展望台から湖をはさんで反対側にあたる。行く途中、気になっていた「からまつの湯」をチェック。ここは標津(しべつ)川の支流のほとりにぽつんとある自然そのままの野湯である。もちろん無料。狭い湯船で先客がおり、ここへ入るのは断念した。

クリックすると拡大します 裏摩周展望台に着く。相変わらず霧は皆無。高台に登ると....すばらしい!ワンダフルな眺め!!!第一展望台よりはるかにすばらしい眺めであった。訪れる人も意外と少ないようで駐車場は狭い。しかし行くならこの裏摩周の方がはるかに良い。オススメイチオシである。
 展望台をあとにしてからは食を求め、中標津(なかしべつ)方面へと向かう。できればしぼりたての牛乳が飲みたいなーなどと言いながら車は東へと走る。途中、「牧舎(ぼくしゃ)」というおいしそうな店に立ち寄ろうと思ったが時間が早すぎてやってない...。車の中にあったお菓子をぼりぼりむさぼりつつとりあえず近くの開陽台へ向かうことにした。

330度の眺め

 開陽台は330度地平線が見えると言われている。確かにここに登ると水平線でなくて地平線がまあるくぐるりと見える。北海道の広さを実感できる場所である。しかしどこが330度なのかはよくわからない。30度以上山はあったと思ったのだが...。しばしボケーッと地平線を眺めてそよ風に吹かれながらベンチで一眠り。あまりのすがすがしさにどこにいるかも忘れて眠りについてしまった。ここで思ったが、夜来たら星がそれこそ感動で体中がふるえるくらい美しく見えることだろう。
クリックすると拡大します 開陽台をあとにしてやっと食事をするべく「牧舎」へ。牛乳をたのんでのどを潤す。やっぱりしぼりたてはうまい。濃厚な中に甘さがある。腹がかなり減っていたのでピザを頼む。生地に芋をつかったピザだ。店が忙しいらしくて注文してもなかなかお待ちかねのピザはでてこない。やっと出てきたときには注文して約45分が経過していた。ピザをむさぼり食いながらココロは次の食べ物へ。やっぱりアイスクリーム食べなきゃはじまらんでしょー、というわけでアイスクリームまで食べてしまう...。いやいや、やはりとれたての食材はよかですねー。

 腹もふくれたことだし今度は温泉!という単純な考えで近くの養老牛温泉へ。汗をながそうという話になる。この養老牛温泉は標津川沿いにあり、男女別の内風呂、露天風呂、混浴の露天風呂、丸太風呂、サウナなどたくさんの温泉が楽しめる。500円。標津川のせせらぎを耳で愉しみながら入る温泉はまた格別のモノがあった。目をつぶると木々のざわめき、ちゃぷちゃぷと湯船から川に注ぎ込むお湯の音、すべてが心地よい。思わずすーっと眠りに入りそうになってしまった。

トドワラ

クリックすると拡大します 温泉にゆっくり浸かったあとは海を見にいこう!ということでさらに東へとむかう。野付半島を両側に海を見ながら端へと走る。ホントに長細い半島で、水平線の向こうにかぎりなく続くと思われる道とそのまわりの狭い土地をはさんで海が迫っている。見た目は荒涼としたかんじである。道とぽつんぽつんと立つ電柱、ススキの原、青い海。なんとなしに最果ての地に来た感覚にとらわれる。海の向こうには北方領土の国後島がすぐ近くに見える。たまーに「返せ!北方領土」なんていう看板があってこの問題の根深さを実感させられた。半島の端の方、トドワラという場所で車を降りる。ススキやこの地方特有の植物の中をボケながら端の方までいってみる。ここも細長いススキの原以外は両側海である。なんとも不思議な光景に言葉がなくなる。ちょうど太陽が沈んでいき、美しい夕焼けと共に日が暮れていった。

ひとつぶの麦とコタン温泉

 本日の宿は摩周湖・屈斜路湖にほど近い弟子屈(てしかが)町の旅人宿、「ひとつぶの麦」に決定。野付半島からひたすらまっすぐの道を弟子屈へと走る。野付から90km以上あるのだが1時間半で十分来ることができた。北海道を走るときはだいたい距離がその所要時間になるから便利である。弟子屈町に着いてなにもない真っ暗な道をしばらくいくとぽつねんと光が見え、そこが「ひとつぶの麦」であった。
クリックすると拡大します 宿には休日を利用してきた旅人たちが夕食を待っていた。19:00から夕食ということでバタバタと荷物を下ろし、夕食。寒い日にはうれしいナベであった。あつあつのつみれをほおばり、クタクタに煮えた白菜を口へ運ぶ。あまりのうまさにポンポン腹におさまっていった。ナベが一段落すると雑炊。もうこれ以上食えません!って言いたかったがそれでもなおうまいのでサラサラ食べてしまった。満腹 ( ̄ー ̄)。
 腹がおちついたところで温泉である。屈斜路湖畔にはたくさんの温泉があり、しかも野天風呂がたくさんある。今回はそのひとつ、コタン温泉をめざす。宿から車で20分少々。湖畔にある無料野天風呂である。湯船は一応大きな岩で区切られてはいるが申し訳程度で基本的につながっている。その前に、まわりに囲いのようなものがないため(低い囲いらしきものはある)まわりからは丸見えである。しかし夜中なのでほとんどわからないのだ。訪れる人もこの時間になるとほとんどない。湯船の向こうは静かな湖面が闇夜と共に広がる。湯はぬるいので長湯しても全然OK。風呂に浸かりながら話し込んでしまい、気がついたら1時間以上も風呂に入っていた。帰りの運転の眠かったこと。温泉で体はほんのりと温まり、目をつぶったら3秒で眠れること間違いなしであった...。
 3人宿に戻ると宿では夕食後の飲み会が続いており、仲間に入れてもらう。スノーモービルで180kmだしたとかとんでもない話が次々ととびだし、日本は広いとつくづく実感する。午前1時をすぎるとさすがに睡魔には勝てず、気持ちの良い眠りにすっと吸い込まれていった。

釧路湿原と馬

 朝7:30過ぎに起床し、朝食を食べる。新鮮な牛乳がのどにさわやかだ。少しずつみんな出発していき、やがて僕らも出発した。釧路湿原に行こうということで一致し、南下する。紅葉がホントに美しく、「うぉー」、「きゃー」、と車の中は朝から騒々しかった。あんなに濃い色の紅葉は滅多に見れないと思うが、それが道沿いにずっとあるのは感激であった。
クリックすると拡大します そうこうするうちにとりあえず目的地の近く、JR釧路湿原駅に行ってみる。とても素朴な駅ですぐに気に入ってしまった。制服と帽子がおいてあったのでもちろん着て写真を撮る。
クリックすると拡大します 細岡展望台はこの駅の近くにあり、釧路湿原が一望できる。広大な湿原のなかをのったりと蛇行して流れる川に大自然のすばらしさを感じずにはいられなかった。...とどこからか馬の「ブルブル」のような音が聞こえてくる。音のする方を見るとそれは人間であった。不思議な人もいるものだと思いながら再び風景を見ているとどうもこっちに向かって何か叫んでいる。なにを言っているのかよくわからないのだがその後もしつこく怒鳴り散らしてきたりビデオカメラをひたすらこっちに向けてきたりとどうも湿原に感動していた気分を害されてしまった。ま、それにしても思ったことは、この湿原の中をカヌーで下ったらどんなに気分がいいだろうということだった。いつか挑戦してみたい。

 釧路湿原をあとにしてマリモで有名な阿寒湖方面に向かうこととなった。近道をしようと走っていると、突然舗装された部分がなくなり、砂利道に。それでもゴトゴトジャリジャリ8km程走るとやっと舗装された部分に出た。その出た先に再び雄大な湿原が広がり、北海道はどこまでいっても雄大だということを再認識する。相変わらず紅葉もすばらしく、どうにかして持って帰りたいほどの美しさだった。しばらく走ると鶴がいるという「鶴居村」を通過。ふと遠くを見やると「あ、ホンマやー」というわけで鶴発見!3羽の鶴が優雅に歩いていました。その後も至るところで鶴がいてまさに「看板に偽りなし」の村だった。
 その後も砂利道(なんと15km!)の峠を越え、「ホンマにこの道であってんのかー?」と思ったころにやっと大きな道に合流し、やがて車はマリモで有名な阿寒湖に到着。阿寒湖を見ようと思ったのだがあまりにも観光地化されていたために一同行く気をなくし、素通りして温泉へと向かったのであった。

 雌阿寒温泉(野中温泉)、そしてさらば北海道...

 車は美しく紅葉した林の中を一直線に走る。それにしても美しい。天候がくずれて小雨が降っていたのだがそれでもなお目が覚めるようなきれいな紅葉である。阿寒湖を少し過ぎてから車は山道をのぼり始める。雌阿寒岳の中腹にその温泉はひっそりとたたずんでいた。駐車場に車を止め、温泉へ。300円というのは安い。硫黄泉というだけあって硫黄の匂いがあたりを漂っている。「山の中のひなびた温泉宿」というのにぴったりの雰囲気であった。内風呂は浴槽から床までなにからなにまでアカエゾマツでつくられており、それはそれは贅沢な装い。湯がさらっとしており、とても心地よい。露天風呂は非常にぬるく、長湯するのにぴったり。秋の風景を満喫しながらの温泉はなかなかのものであった。ついつい長湯してしまい、飛行機の出発に「ちょっとやばいかなー」という感じになってきたので車を女満別向けてとばす。実はチケットを千歳−羽田で予約していたのだが、そうすると最終日あまり道東を見ることなく千歳へ向けて長い道のりをひたすら走らなくてはいけないので朝になって予約を変更したのだった。(たまたま空席ができた!)おかげで航空券代が高くなったがその分道東を満喫する事ができた。
 あと少しで北海道をあとにする寂しさを心の中でかみしめながら車を運転する。「また来たい...北海道」。あまりにも行きたいところが多すぎて2泊3日ではとてもまわりきれない。ホントに2ヶ月くらいゆっくりまわってみたい、いや、住んでみたい、そう思わせるものが北海道にはある。....そうはいっても女満別空港にどのくらいの時間でつくかわからなかったのでちょっとあせってはいたが...。
クリックすると拡大します 結局空港には出発の50分前くらいにつき、全然ノープロブレム!あわただしく土産などを買い込み、2人に別れを告げ、僕の乗ったエアバス300は19:00、北海道をあとにした。窓から見える町の灯りを見ながら「次北海道来れるのはいつのことだろう」との思いが複雑に胸の中で交錯する。
 北海道にとりつかれてしまうとここがあたかも故郷のように思えてしまい、離れ難い。今度はゆっくりと来てみよう。いつになるかはわからんが....。

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